投稿日
2023.01.27
カテゴリー
ブログ記事
ライター
鈴木啓士
いよいよ7月から完全切り替え!改めてGA4の特徴って何?UAとの違いをわかりやすく解説!
住宅業界のウェブマーケティングにおける必須ツール「Google Analytics」、そのアナリティクスがGA4(Google Analytics4)へと大幅にリニューアルされることとなり、各社に早急な切り替え対応が求められています。2023年7月からは従来のUA(ユニバーサルアナリティクス)からGA4へとデータ収集が完全に切り替わることとなり、完全切り替えへの対応も目前に迫っています。そんな中、「今更聞きづらいけどGA4の特徴って・・・?」という工務店様に向けて、GA4の特徴やUAと比較して何が違うのかを改めて解説いたします!

GA4移行の背景

まずは何故今回のアップデートが適応されるのかを理解しましょう。GA4移行の理由は一言でまとめると「時代に合わせたデータ計測の最適化を行うため」です。スマートフォン普及し、YoutubeやInstagram等のソーシャルメディアに毎日のように触れる現代では、ユーザーは検索エンジンだけでなく、SNSでも検索行動を起こすようになり、情報収集の手段は非常に多様化しています。様々なメディアやデバイスを跨ぎ情報収集を行うユーザー行動に対応できるように、今の時代に合わせたデータ計測手法に切り替わるため、GA4へと移行していく必要があります。
GA4移行の背景については、以下の記事で詳しく解説しております。
https://zenrin-tokai.co.jp/marketing-labo/post-2712/

GA4の特徴・UAとの違い

では新たなGA4で計測・分析する上ではどのような特徴があり、どんなポイントを抑える必要があるのか?ここでは3点にポイントを絞り、やや抽象的にざっくりと解説していきます。

・分析軸がユーザーを主軸とした分析へ

従来のUAはセッションを主な分析軸として設計されていました。ウェブサイトに存在するいずれかのページを訪れれば、1セッションとして計測が開始され、施工事例や会社概要のページを遷移してお問い合わせに向かう…その過程を「直帰率」や「離脱率」「ページビュー数」「平均滞在時間」という指標で追って分析してきたのが従来のアナリティクスです。
しかし、メディアが多様化した現代では、1回のウェブサイト訪問で目標達成(CV)に繋がるケースばかりではなく、ユーザーの行動はウェブサイトだけでなくSNSなど含めてマルチメディアに動き、ウェブサイトやSNS等を何回も行き来してお問い合わせをするケースが多くなると考えられます。
そのため単なるウェブサイト上での動きだけでなく、ウェブサイトと外部メディアを合わせたユーザー主軸の動きを追っていく必要があるのです。
GA4では、このユーザー軸の動きを分析する思想を前提に、1回の訪問を追う「トラフィック」の観点と、1人のユーザーを追う「ユーザー」の観点、この両方の観点から分析が出来るようになっています。


・直帰率の概念が大幅に変化

従来のアナリティクスで重要視されていた「直帰率」という概念も大幅に変化します。これまで「直帰率」とは「最初に開いたページから次のページに遷移しなかったセッションの割合」として算出されていましたが、これこそセッション軸での考えをベースとした指標です。従来であればウェブサイトにおいて、2ページ目まで進んでいる、1セッションあたりのページビュー数が多いというのは1つの良い傾向として見られましたが、メディアが多様化した現代では、1ページ1ページの情報量が増え、単純に直帰という指標だけでは訪問の質は測れなくなってきています。


動画を例にあげましょう。最近では動画に触れることが当たり前になりましたが、動画は単純な文字の羅列と比べて、音声や映像の力が加わり、短時間でより多くの情報訴求が可能です。訪問した最初の1ページに5分ほどの動画が設置されており、その動画を最初から最後まで視聴し、そのまま離脱した場合、従来のアナリティクスでは動画を見ずにページを閉じた人と同じく「直帰」という扱いになってしまいます。このように、そもそも1コンテンツごとの情報量が豊富になっている昨今では、2ページ目に進んだかという条件だけでは、ユーザーやトラフィックの質は曖昧にしか測れません。
そこでGA4では「エンゲージメント」という新たな概念が起用され、今後はエンゲージメントが起きたか否かでユーザーやトラフィックの質を測っていくこととなります。エンゲージメントの条件は、①2ページ以上閲覧する、②10秒以上滞在する、③CVを達成する、この3つです。特に②10秒以上閲覧する、という条件は初期設定では10秒とされていますが、こちらはアナリティクスごとにカスタマイズすることが可能です。
GA4には従来の直帰率という指標も引き続き存在しますが、概念がまったく異なります。従来のように「1ページ目で離脱したセッションの割合」ではなく、「エンゲージメントが起きなかった割合」という指標に変化していきます。
今後はエンゲージメントという概念を元に、「エンゲージメント率」「直帰率(非エンゲージメント率)」といった指標でより詳細にユーザーやトラフィックの質を分析できるようになります。

・イベントでユーザーの行動を細かく計測

従来のアナリティクスでは初期設定の段階だと「訪問」と「ページビュー」しか追えなかったものの、今後GA4では「イベント」という計測方法で、ユーザーのアクションを初期設定の段階から事細かに追うことができます。
初期設定で計測されている「イベント」では以下のような例があります。
※一部イベントは計測を有効化する必要があります。

・file_download → ファイルのダウンロード
・first_visit → 初回訪問
・page_view → ページ閲覧
・scroll → ページを90%以上スクロール
・session_start → セッション開始
・video_start → 動画再生
・click → 外部リンクのクリック

上記はよく使用される指標の一例です。以下のページにGA4で自動収集されるイベントの一覧がまとめられています。
参考:[GA4] 自動収集イベント
https://support.google.com/analytics/answer/9234069?hl=ja

上記のイベントを、どのページで発生したイベントかなど、ラベリングすることもでき、ページ単位・リンク単位・動画単位での分析をすることも可能です。
また初期設定のイベント以外にも、新たに計測するイベントを設定することもできます。

注意:名称が変わる指標もあり

指標の内容は従来のアナリティクスと同じ意味でも、名称・呼称が変わっている指標があります。言葉が変わっているため、違う指標かと思ってしまったり、同じ指標に見えるけど名称が変わっているため参考にしていいかわからない等、困惑してしまう可能性もありますので、注意しましょう。

GA4では以下の指標の名称が変わっています。

・旧:ページビュー数 → 新:表示回数
・旧:平均滞在時間 → 新:平均エンゲージメント時間 ※一部計測方法に変化あり
・旧:ユーザー → 新:ユーザーの合計数
・まとめ:GA4は概念を理解し、指標を理解すれば、難しく考えなくても大丈夫!

今回のアップデートによって、従来聞きなれた言葉や見慣れた画面がガラッと変わってしまうため、困惑される工務店様も多いでしょう。私たちもGA4を初めに見た時は「なんだこれは…」は茫然としてしまったことを覚えています。一見して非常に難しく思えるGA4ですが、そもそもアップデートの経緯を理解し、1つ1つの指標の意味を理解すれば、あとは日々少しずつ触れて慣れていくことで、これまでのアナリティクス同様に扱うことが必ずできます。

完全な切り替えは目前に迫って来ていますが、今からでも遅くはありません。

少しずつ新たなGA4での分析をはじめ、最初はわからなくても画面を見る癖をつけるところから初めて見てはいかがでしょうか。

弊社では住宅会社様に向けた、GA4への切り替えのサポートから、初めにしておくべき設定のサポート、その後のGA4を活用した分析のサポート・アドバイスまで幅広く行っております。GA4への切り替えでお困りの住宅会社様は、お気軽にお問い合わせください。