インターネットやSNSが普及して、消費者の情報収集の手段も多様化しています。
昨今では、YouTube動画を通して工務店探し、工務店選びを行っている消費者も少なくありません。
YouTube集客を軌道に乗せるには、まずは消費者にYouTube上で動画を見つけていただく必要があります。
今回は、YouTubeで集客を獲得していくために有効な、YouTube上でのSEO対策について解説いたします。
なぜYouTubeでSEO対策が必要なのか
そもそも「SEO対策ってなに?」という方のために、まずはSEOのことから解説いたします。
SEOとはSearch Engine Optimizationの略称で、「検索エンジンへの最適化」を意味します。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンが推奨する事項をクリアしていくことで、サイトとしての評価を上げ、検索順位の上位掲載を狙うための施策のことをSEO対策と言います。
元々は検索エンジンでの集客を増やすために重視されていた施策ではありますが、現在ではこの概念がYouTubeにも求められています。
では、なぜYouTubeにもSEO対策が必要なのか、その2つの理由を解説いたします。
1.圧倒的な利用者数
国内におけるYouTubeの視聴ユーザー数は、2023年5月時点で、7,120万人以上にも及ぶと言われています。
さらにそのうち、2,680万人以上が45歳から64歳のユーザーとなっており、若年層だけでなく、幅広い世代にYouTubeの利用は浸透しています。
※出典:Think with Google (https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/marketing-strategies/video/youtube-recap2023-2/)
これだけのユーザーを抱えているYouTubeで検索上位を獲得し、多くのユーザーの目に留まることができたのなら、ネット集客への大きな効果を期待できるでしょう。
2.膨大な投稿動画数
YouTubeは利用ユーザー数が多いメディアですが、同時に日々膨大な件数の動画がアップされています。
YouTubeの動画投稿本数の合計数は公表されていませんが、とあるデータでは、YouTubeに1分ごとに投稿されている動画の総時間は500時間にも及ぶとのことです。
出典:FINDERS(https://finders.me/kqFQpDIyODk/1)
このデータから、現在YouTube上には莫大な数の動画が上がっていると予測することができます。
つまり、YouTube内はすでに様々なユーザーが投稿する動画であふれかえっており、何も対策していなければ莫大な動画の中に埋もれてしまい、そもそもターゲットである消費者に見つけてもらえないという事態に繋がりかねません。
だからこそ、ただYouTubeを利用するだけでなく、しっかりとYouTubeに対してもSEO対策を取り入れることが必要とされているのです。
SEOの基本的な考え方
SEO対策を進めていく上では、まずはSEOの全体像を把握する必要があります。
具体的な対策方法や施策を行う前に、SEOで基本となっている考え方を解説いたします。
最大手の検索エンジンであるGoogle社は、SEOに対する様々な評価基準を設けており、そのアルゴリズム(計算方法・処理方法)は定期的に更新されていきます。
しかし、その評価基準を定める根底には、明確な考え方があります。
それは「ユーザーに最適な検索体験を提供すること」です。
例えば、検索エンジンのSEOでは、・サイト内の情報量が多いこと。・ストレスなくスムーズに閲覧できるサイト構造になっていること。・最新情報であること。・専門家による情報発信であること。などが代表的な評価基準として存在しますが、
これらはすべて、検索を通じてこのようなサイトからニーズに合った情報が得られることが、ユーザーにとって良質な検索体験となる、という考え方から成り立っています。
私たちは、この考え方はYouTubeにも同様に通じていると考えています。
これからご紹介する具体的な施策も大切ですが、その根底にあるのはユーザーにとって良い検索体験となるかどうか、という基準で採点されていることをまずは押さえておきましょう。
YouTubeでのSEOの進め方
➀キーワードをリサーチし、効果的なキーワードを選定する
まずは自社に合わせたキーワードを選定しましょう。
キーワード選定をする際も、「家づくりに対して考える際、YouTubeでどんなキーワードを入力するか」と消費者目線で考えることが重要です。
また消費者目線で考えるだけでなく、狙ったキーワードに対してどんな競合がいるのかも正しく把握する必要があります。
そのためにも、キーワードの選定とキーワードのリサーチはセットで行いましょう。
例えば「ハウスメーカー 選び方」と検索した場合、このような検索結果が表示されました。
かなりの数の関連動画がヒットしました。
内容を見てみると、建築関係者の方が解説している動画がほとんどです。
このように、実際にYouTube上で検索し、出てきた検索結果の中でどんな独自性を出して、それをタイトルやサムネイルでどのようにアピールするかが、YouTube集客成功のカギとなります。
②ユーザーの検索意図を理解する
キーワードを選定する上では、そのキーワードで検索しているユーザーの「検索意図」と合わせて考えることをお勧めします。
例えば、「新築 選び方」というキーワードで検索しているユーザーがいたとします。
このユーザーが、「これから注文住宅を建てる予定があり、失敗しない住宅会社の選び方を知りたい」という検索意図を持っていた場合、「これから家を建てる人へ、失敗しないハウスメーカーの選び方」という動画がヒットしたとすれば、これは検索意図を満たす検索体験になっていると言えるでしょう。
しかしこのユーザーが、「注文住宅ではなく、建売住宅を買う予定があり、失敗しない物件選びの方法を知りたい」という検索意図を持っていた場合、先ほどと同じ動画がヒットしてしまうと、これは少しミスマッチとなってしまうかもしれません。
このように、同じキーワードでも様々な検索意図が含まれている可能性があります。
ただキーワードを考えるのではなく、そのキーワードで検索する背景にはどんな検索意図があるのか、それをセットで考えるようにしましょう。
ユーザーの検索意図を満たせる動画を作り、それが伝わるタイトルやサムネイルになっていれば、自ずと再生数は増えていくはずです。
YouTube上で集客UPのための効果的な施策
ここからは、具体的にYouTubeのSEO対策として有効とされている施策をご紹介します。
➀タイトル・説明文の最適化
タイトル・説明文を作成する上では、2つのポイントが重要になります。「動画の内容とマッチしたタイトル・説明文になっているか」「ユーザーの検索意図を満たすタイトル・説明文になっているか」
この2つが最適化されることで、SEOで高い評価を得られることが期待されます。
②ハッシュタグの利用
「#工務店」のようにInstagram等のSNSで頻繁に利用されるハッシュタグですが、
YouTubeでも同様に利用されています。
動画の概要欄等にハッシュタグを設定することで、「ユ―ザーがハッシュタグ検索した際にヒットするようになる」「同じハッシュタグの動画から流入が期待できる」「動画の内容を直感的にイメージしてもらいやすくなる」といったメリットがあります。
③YouTubeタグの設定
YouTubeタグとは、動画の内容をYouTube自体に認識させるためのタグです。
新規で動画をアップロードする際、「タグ」というものを追加する項目がありますので、そちらからYouTubeタグを設定することができます。
YouTubeタグを設定することで、動画のカテゴリーや内容がYouTubeに伝わり、アルゴリズムに活かされることで、関連する検索にヒットしやすくなったり、ユーザーが類似する動画を見ている際の関連動画としてもヒットしやすくなります。
④サムネイルにこだわる
サムネイルとは、検索結果や動画一覧にタイトルと合わせて表示される1枚の静止画のことです。
動画の看板とも言えるサムネイルですが、このサムネイルが、動画見たいと思わせるか、クリックしたいと思わせるかどうかを大きく左右します。
表示された回数に対して、クリックされた回数の割合をクリック率と言います。
このクリック率が高い動画ほど、ユーザーから指示されている動画であるとも考えられ、高い評価を得られることが期待できます。
あり合わせの画像や動画の一部を切り抜いて設定するのではなく、なるべく専用のサムネイルを別途作成し、クリック率を高めることが好ましいです。
⑤視聴維持率と視聴時間を上げる
動画の再生数に対して、最後まで視聴してくれた再生の割合を、視聴維持率と言います。
また視聴時間は、動画が平均的にどれだけの時間で再生されているかを表す数値です。
視聴維持率と視聴時間は、YouTubeの評価対象となっています。
より長く視聴されている、最後まで視聴されている割合が高い、このような動画は、ユーザーからもYouTubeからも評価され、検索に対しても優位に働きます。
当たり前の話ではありますが、ユーザーが見ていて見応えを感じるような、動画づくりを心掛け、配信後も確認・改善を繰り返しましょう。
⑥高評価やコメントを集める
動画への高評価・コメントの件数も、YouTubeの評価対象となっています。
より高評価やコメントがたくさん集まっている動画は、ユーザーにとっても良質な動画であると判断され、評価が高まり検索に対しても優位に働きます。
動画の最後で、「高評価・GOODボタン」を促す一言や、「質問やこんな動画がみたい、などあればコメント欄へ」とコメントを後押しする一言を添えてみたり、またいただいたコメントにはなるべく返信をする等をすることで、高評価やコメントは集まりやすくなるでしょう。
これは個人的な意見ですが、ただ「高評価・コメントをお願いします!」というよりも、「GOODボタンやコメントをいただけると、個人的に励みになるので」というように、なるべく商売臭を抑えた言い回しのほうが、応援したくなるように感じます。
YouTubeSEOに役立つ無料ツール
➀YouTubeアナリティクス
YouTubeアナリティクスは、投稿した動画単体のデータや、チャンネル全体のアクセスデータ等を解析できる無料ツールです。
管理画面である「YouTube Studio」から確認することができます。
動画の再生回数やチャンネル登録者の推移、また先述した視聴維持率や視聴時間はYouTubeアナリティクスを使うことで確認することができます。
②Google キーワードプランナー
Googleキーワードプランナーは、Google社提供のGoogle広告上で使える、特定のキーワードに対して関連するキーワードをいくつか提案してくれるツールです。
本来は検索広告に対して使用することが多いツールですが、YouTubeのキーワード選定にも十分に使うことができます。
Googleキーワードプランナーを利用するに当たっては、Google広告のアカウントが必要になります。
広告を配信する場合は別途費用が必要ですが、アカウントの開設自体は無料で行えます。
まとめ
YouTubeは幅広い世代のユーザーが利用している、集客には最適な動画メディアです。
しかし、ただYouTubeを活用するのではなく、消費者目線でニーズに合った動画を配信し、消費者のニーズに叶う動画内容になっていることを、わかりやすく発信していくことが重要です。
基本的なSEOの概念は、検索エンジンと何ら変わりません。
YouTubeに評価されることを意識するのではなく、貴社の動画を通じて、ユーザーがどんな検索・視聴を行い、どんな情報収集の体験を得られるか。ユーザー体験全体で考え、最適化していくことを意識していくことが重要です。
本記事が、少しでもYouTube活用のヒントになりましたら、嬉しく思います。