1. ユーザーが初めてサイトへ訪問した流入元を知る重要性
そもそも、ユーザーが家を建てたいと思い始めてからの行動を考えると、初めて知った工務店で、一度ホームページを見て、直結で契約を決めることはめったにないことですよね。
高価な買い物だからこそ、工務店を調べつくし、数日かけて比較を行い、お問い合わせをするといった行動が大半ではないでしょうか。
だからこそ、すべてのアクセスから各メディアごとに流入元を把握するだけではなく、初めてサイトへ訪問したきっかけとなったのはどのメディアか把握することもとても大切なことです。
その初回接点のきっかけとなった流入元がなかった場合、ユーザーに知ってもらうきっかけが作れずお問い合わせ1件を逃してしまっていたかもしれません。
自社サイトへのユーザー獲得を知ることで、今後新たに自社を知るきっかけをつくってくれる可能性がある流入元にも気付くことができるかもしれないです。
GA4がユーザー視点で計測されるようになったのは、今やホームページへ訪問するメディアがSNS、Youtube、LINE…など多岐にわたり、ユーザーが多数のメディアを活用してホームページを訪問してお問い合わせするという行動もあらわになってきているからです。
2. トラフィック獲得とユーザー獲得の計測の違い
GA4では大きくアクセスの流入元を軸に見るレポートは2つあります。
それは、全てのアクセスから訪問ベースで表示する集客レポートと、ユーザーが初めてサイト訪問した初回接点ベースで表示する集客レポートです。
上記のホームページ行動例の場合、以下のようにアクセスが計測されます。
ユーザー獲得レポートでは、3月8日のGoogle検索広告からの訪問が1アクセス計測され、
トラフィック獲得レポートでは、3月8日のGoogle検索からの訪問1アクセス、3月10日のInstagramからの訪問1アクセス、両日の訪問データ2アクセスが計測されます。
ではお問い合わせの貢献度はどのように計測されるでしょうか。
初めて訪問した流入元がGoogle検索広告。
ですが、お問い合わせに繋がったのが2回目訪問の3月10日のInstagramからの訪問でした。
ここで、2つのレポートの計測データが大幅に違ってきます。
トラフィック獲得レポートでは、お問い合わせ完了のコンバージョンはInstagramから1件となりますが、
ユーザー獲得レポートで見ると、お問い合わせ完了のコンバージョンがGoogle検索広告1件と表示されます。
数日にわたり何回ホームページを訪問したとしても、きっかけとなった初回訪問があったからこそお問い合わせに繋がっていると判断できるということですね!
お問い合わせコンバージョンを増加するために、初回接点の可能性が高いところを見つけ出し、そのメディアを更に強化していくことや、何が決め手になっているのか施策を深ぼっていくこともできると思います。
以前のユニバーサルアナリティクスで見ていた「参照元/メディア」レポートは、GA4のトラフィック獲得レポートと同じ意味合いになりますので、全体アクセス状況を各メディアごとに把握したい方はトラフィック獲得レポートを確認してください。
3. GA4のユーザー獲得レポートの見方
では、GA4の画面でユーザー獲得レポートの見方を解説していきます。
GA4を開き、レポート>ライフサイクル>集客>ユーザー獲得を確認してください。
バージョンによって、同じ項目で表示されていない可能性もありますのでその際は、ユーザー獲得という名前のレポートを探してみて下さい。
デフォルトチャネルグループという流入元の軸でレポートが表示されています。
これはGoogleが判断したカテゴリに割り振った軸になりますが、もっと詳細にメディアを見る際には、「ユーザーの最初の参照元/メディア」を選択してください。
見慣れたメディアの名前が表示されていると思います。
新規ユーザー数が多い順番で並んでいるので、一番アクセス数が多いのはGoogle/organicです。
すなわちGoogle自然検索からホームページへ初めて訪問した人が多いという結果になります。
社名での検索や、ブログを書いていたりするとページ内の関連したキーワードをもとに検索結果に表示されるのでこれは、とても嬉しい結果ですね。
お気に入りや営業リストのURLを直接開いたり、ホームページへ訪問した前の情報がない流入元である(direct/none)が次に多いですね。
4番目には、Yahoo/organicとYahooユーザーの検索からもホームページへ訪問していることがわかります。
新規ユーザー数について触れましたが、やっぱり気になるのはお問い合わせ等のコンバージョンになりますよね。
期間内でGoogle検索から、1053人がホームページを初めて見に来てくれていて52回お問い合わせしてくれたということになります。
4. トラフィック獲得レポートとのコンバージョンの違い
では、同じ期間でのトラフィック獲得レポートはどのようになっているでしょうか。
Google/organicのお問い合わせコンバージョンが56回。コンバージョン数が4回増えていますね。
2回目以上の訪問かつ、Google自然検索からホームページへ訪問した際にお問い合わせした行動が4回あったということがわかりますね。
数字の変化が大きくないので判断が難しいと思いますが、この場合はどのように感じますでしょうか。
トラフィック獲得レポートで、Instagramのコンバージョン1件
ユーザー獲得レポートで、Instagramのコンバージョン5件
通常なら、トラフィック獲得でInstagramのアクセスを判断しがちですが、
ユーザー獲得レポートで見るとInstagramのコンバージョンが5件。
この場合ではあれば、Instagramは初回接点をつくる施策としてとても優秀なのではという仮説がたてられるかと思います。
数値の違いを解説するためにユーザー獲得レポートとトラフィック獲得レポートで比較しましたが、
厳密には、2つのレポート同士で比較するということではなくユーザー獲得レポートで、各メデイアごとにコンバージョン貢献度を比較したり、トラフィック獲得レポートですべてのアクセスを各メディアごとにコンバージョン数や割合を比較したりすることに使います。
トラフィック獲得レポート Instagram 1件 Google検索広告 6件 | |||
ユーザー獲得レポート Instagram 5件 Google検索広告 1件 | |||
上記の場合だとどうでしょうか。
初回接点をつくるというより、検索広告はコンバージョンの背中を押すのに効果的なのではという仮説がうまれるかもしれないですね。
ホームページは10社10とおり。集客施策もそれぞれの施策で行っておりますので同じ結果にはなりません。
だからこそ、まずは自社のホームページを知る、ということはとても大切な一歩だと感じています。
この記事で、ユーザー獲得レポートとトラフィック獲得レポートについて解説しましたが、
覚えていただきたいのは、
ユーザー獲得レポート:初回ユーザーが訪問した流入元ごとに表示したレポート
トラフィック獲得レポート:すべてのアクセスを流入元ごとに表示したレポート
ということです。
まとめ
今回は、コンバージョンにスポットを当てて解説させていただきましたが、
ユーザー獲得レポートやトラフィック獲得レポートは何を軸に表示するのかという違いになります。
ホームページの改善を行う際には、コンバージョンやユーザーの数だけでは判断しきれない指標がまだ沢山あります。
また違う記事でも解説していきたいと思いますので読んでみてください。