工務店経営者様であれば、1件1件のお問い合わせはとても価値のあることだと思います。
しかしながら、多くの工務店経営者様は、「お問い合わせはあるのに、会って話せない。」と口を揃えておっしゃいます。
当記事は、新築注文住宅を検討している際に70社の工務店さんから資料を取り寄せた私の経験をもとに執筆いたします。
・資料請求の重みは、すべてが同じではない。
大前提として、ここでの「資料請求」とは、ポータルサイトからの一括資料請求は対象外とし、貴社ホームページからの資料請求と定義いたします。
なぜなら、本当に貴社で家を建てたいと思うユーザーは一括資料請求ではなく、貴社ホームページを細かくチェックして、貴社ホームページのお問い合わせフォームからお問い合わせをするからです。
つまり、貴社にとって本当に価値ある資料請求は、自社ホームページからのお問い合わせとなります。
・お客様は、なぜ資料請求をするのか?
資料請求をするときには、多くの場合、お名前、住所、電話番号などの入力が求められます。
スマホで、それらの情報を入力するのはそれなりに時間も手間もかかります。
それでも個人情報を入力してまで資料を請求するのはなぜでしょうか?
お客様が資料請求をするのには、大きく2つの理由があると感じています。
- ホームページには載っていない情報を見たい。
70社を超える企業様の資料をいただいて感じたことにひとつに、ホームページに載っている情報を、ただただ紙に印刷しただけの企業様があまりにも多いということでした。
そして、「ホームページに載っていたな」と、感動や喜びがなかったことを記憶しています。
わざわざ個人情報まで入力したのに、「知っている情報」を届けられてもうれしさがなかったのです。
つまり、資料請求をしたからには、「ホームページには載っていない」新たな貴社の魅力を知りたいのだと思うのです。
- 次のアクションを知りたい。来場までの背中を押してほしい。
資料請求をする方の多くは、家づくりの初心者さんです。
家づくりをどのように進めてよいかもわからない方々なのです。
そんなお客様が勇気を振り絞って、個人情報を入力してまで資料請求するのは、次のステップへ進みたいという意思表示だと考えています。
施工事例はホームページに載っています。
会社概要もホームページに載っています。
貴社に「会いに行く口実」が欲しいのだと思います。
・お客様のお手元に届いた資料の行き先
郵送する資料を作られる背景を想像すると、それはとても簡単なことではないと思うのです。
企画や構成を考え、デザインし、郵送の手続きをするというのは、お金も時間も費やして完成したものだと思います。
しかしながら、資料請求をしたお客様は容赦ありません。
手元に届いた資料が魅力的なものでなければ、いつまでも手元に置いておくなんて言うことはありません。
処分されなかったとしても、二度と見られないどこかに放置されてしまいます。
大げさではなく、「生き残る資料」と「捨てられる資料」に二極化します。
では、「生き残る資料」になるためには何が必要なのでしょうか。
・生き残る資料に必要なこと
1)ホームページには載っていない情報を見たい。
2)次のアクションを知りたい。来場までの背中を押してほしい。
これらのニーズを満たすために、取り組んでいきたいことの一つは、来場のハードルを下げること。
住宅会社へ会いに行くというのは、お客様にとってはハードルの高いものだと思うのです。「営業されるのではないか」「まだ先のことなので、相手にされないのでは?」様々な憶測によって、高いハードルとなります。
特に私が感じているのは、「誰に?」会いに行けばよいのかがわからないこと。
私が実際に送っていただいた数々の資料を見ますと、多くの企業様は「お名刺」すら入れてくれていません。
どんなに施工事例が魅力的でも、次のアクションがわからないのです。
誰宛に電話をすればよいの?こうした小さな疑問は不安や不満となり、お客様の一歩を妨げる要因になります。
一方で、会いに行ってみたいと思わせてくれる資料には、以下の3つの要素がありました。
➀ご担当者様のお名刺
②手書きのメッセージ
③モデルハウスへのご招待状
おしゃれな封筒を開けると、施工事例集とは別に、表紙となる1枚の厚紙が入っておりました。
そこには、手書きでご担当者様の自己紹介と、ご担当者様が不在としている曜日と、私へのメッセージが書かれていました。
そして、裏面はモデルハウスへのご招待状となっておりました。
この資料を見たときに、いつ、どこで、だれに会いに行けばよいのかが明確になりました。
招待状という歓迎されている感じもとてもうれしかったのを覚えています。
・まとめ
私の経験をもとに執筆いたしましたので、私の主観によるものとなりますが、工務店経営者にぜひお願いをしたいのは、ぜひご自身で自社の資料請求をしてみてください。
どのような装丁で届くのか、封を開けたときにどのように感じるのか、内容を読んで会いに行きたくなるかどうか。
自社がどう見られているのか、客観的に見ることはとても難しいですね。