投稿日
2022.11.18
カテゴリー
ブログ記事
ライター
鈴木啓士
工務店のホームページに必要なコンテンツとは?ユーザーが求める情報と作るべきコンテンツを解説!
この記事を読まれている工務店の皆様は、「自社のホームページをより良くしたい。」「自社のホームページに課題を感じている。」とお考えの方が大半ではないでしょうか。人生で1番大きな買い物とも言われる住宅は、購入前に慎重な情報収集を行う消費者が多く、ホームページ上の情報が、建てたいと思う会社に選ばれるかを大きく左右します。
本記事では、約700社以上のホームページ制作実績を持ち、全国300社以上の工務店のマーケティングを現在進行形で行っている当社ならではの視点で、住宅購入を検討しているユーザーの心理と工務店のホームページに必要なコンテンツを考えます。

工務店にとってのホームページの重要性

住宅業界において、ホームページは集客の要とも言われていますが、なぜホームページは重要なのでしょうか?理由はいくつも考えられますが、一言でまとめると「ホームページを介した集客が最も効率が良いから」ということだと考えています。ネット集客も様々な手法があり、各工務店も多様な施策に取り組む中、多くの工務店が「HPから問い合わせされるお客様が最も質が高い」と仰います。特に資料請求を目的とした「一括問い合わせ型」のポータルサイトと比較した場合は、ほぼ10割に近い確率で「HPからくるお客様のほうがより質が高い(契約に繋がりやすい、効率が良い)」と回答されます。なぜでしょうか?

インターネットが普及した現代では消費者の情報収集の大半をインターネットで行いますが、インターネット上で最も多く自社の情報を発信できる場がホームページです。自社の家づくりに対して事前理解が深いお客様ほど、後の商談は進めやすくなりますので、ホームページで事前にどれだけ自社の家づくりについて理解していただけるか、魅力を感じていただけるかが重要です。ホームページは、24時間365日、消費者が知りたいタイミングで自社独自の魅力を発信し続けてくれています。いわばホームページは「24時間働く営業マン」とも言えるのではないでしょうか。だからこそこの営業マンに「どんなことを話させるのか」が非常に重要になります。

最も重要なコンテンツ

ではホームページにおいて最も重要なコンテンツとはなんでしょうか?結論から言うと、最も重要なコンテンツとは「施工事例」です。2022年5月にUNIIDEO株式会社が行った調査によると、建築会社・工務店・ハウスメーカー選びにおいてホームページの情報を参考にした消費者に対し、「あなたが参考になったと思う会社ホームページのコンテンツを教えてください(複数回答)」という質問を行ったところ、1位が58.4%で施工事例という回答結果が出たそうです。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000036408.html

このことからもホームページに訪れる消費者の興味関心が最も集まっているコンテンツは施工事例であることは明白です。施工事例にこだわることは大前提に、まずは以下の点を確認してみましょう。

  • トップページから施工事例への動線はわかりやすいでしょうか?
  • お施主様と自社のこだわりが伝わるような事例の紹介になっているでしょうか?
  • 写真ばかりでなく、設計の工夫や性能も言葉で伝わっているでしょうか?
  • 他の事例を見るための動線は設けられているでしょうか?
  • 問い合わせをしたくなった時に、問い合わせへの動線はスムーズでしょうか?

ホームページを改善する上で「顧客目線で確認する」ことは非常に重要です。大半はスマートフォンでホームページを閲覧する消費者が多いでしょうから、PCではなくスマートフォンで確認するようにしましょう。定期的に顧客目線で自社のホームページを確認するだけで、思わぬ気づきが生まれることがあります。

ホームページを見ているユーザーの心理状態

確かに施工事例は重要なコンテンツですが、それだけでは消費者にお問い合わせの一歩を踏み出してもらえません。性能面や価格など、まだまだ様々な疑問や不安を抱えているでしょう。ホームページを見ながらも消費者の心理状態は変化していっています。心理状態を考え、ホームページの動線を設計することが非常に重要です。私たちは、消費者が住宅会社のホームページを見ている時、その心理状態は以下の図のように大きく3つのステップで変化していっているのではと考えています。

施工事例はホームページに来たユーザーに対して、まず興味を持っていただくための第一歩なのです。だからこそ、興味を引くような、思わず見たくなるような内容でなければなりません。そして同時に施工事例だけでなく、興味を持ったその先で、更に自社へ魅力を感じてもらえるようなコンテンツ作りが必要です。私たちは上図の心理状態の変化に合わせて、ホームページには3つの要素を用意するべきだと提唱しています。

3つの要素

ホームページで備えるべき3つの要素。それは「興味関心」「納得安心」「行動喚起」です。

せっかくホームページに来てもらっても何か「見てみたい!」と思うような興味を惹けなければ、すぐに離脱されてしまいます。ホームページに訪れた消費者に対して「見たい!」と思わせるための要素が「興味関心」です。

しかし家づくりは大きな買い物ですので、単純な興味本位だけでは買ってもらえません。興味を持ったその先に耐震や断熱性能、価格などの現実的な内容が気になってきます。そこで必要なのが「納得安心」させるための要素です。興味も持つだけでなく、ユーザーが抱える不安を払拭するためのコンテンツをどれだけ用意できるかが重要です。

納得安心して自社に更に魅力を感じてもらったとしても、すぐに行動してくれるユーザーばかりではありません。さほど急いでいない場合、多くの人は「いずれ本格的に検討するときのために覚えておこう」くらいの考えでとどまり、具体的なアクションはせずにブラウザを閉じるでしょう。問い合わせ獲得へと繋げるためにはユーザーに「今行動するきっかけ」を与えるための「行動喚起」が必要です。最も多く使われているのが見学会です。完成見学会は決まった期間で行われるケースが多いため、「今行動するきっかけ」になります。見学会やキャンペーンなどで理由付けをして「今行動するきっかけ」を与えることで、HPの効力は最大化されます。

3つの出口

家づくりは検討段階が長い商品ですので、検討段階に合わせて、適切な出口設計をすることも重要です。まだ実際に見て回るほどではないという人に向けた「資料請求」もう少し家づくりのイメージを膨らめたいと思っている人に向けた「見学会」本格的に家づくり計画を考え始めているという人に向けた「相談予約」など、検討段階のステージに合わせた出口を設けることも重要です。

住宅の検討段階には大きく3段階あり、住宅会社のホームページには3種類の消費者が訪れていると思っています。「今すぐ客」「そのうち客」「まだまだ客」という3種類の消費者です。

この3つの消費者に対して、それぞれに適切なゴール(出口)を用意し、適切なアプローチが出来れば、強固な集客基盤が作れます。 出口を用意する際はフォームの入力項目に対して、消費者の心理状態と入力ハードルのバランスが取れているかを考えましょう。例えばデータで資料を送るだけであれば、住所も電話番号も本来は不要です。入力ハードルの高い項目を必須項目にしてしまうことで、離脱に繋がってしまうケースもありますので、必須項目は最低限のものに絞るのがベストです。

まとめ:ユーザーの心理状態を汲み取り、コンテンツを整える

ホームページで最も興味関心が集まるのは施工事例です。しかし施工事例は興味を惹くためのコンテンツであり、納得安心させるためのコンテンツではありません。消費者の心理状態を汲み取り「興味関心」「納得安心」「行動喚起」の3つの要素を用意すること、また消費者の検討段階に合わせた適切な出口を用意すること、工務店のホームページを改善する上ではこの観点からホームページを考えることが重要です。まずは改めて自社のホームページが、本記事でご紹介したような内容をしっかりと備えられているのか、それをスマートフォンで見て確かめてみてはいかがでしょうか。