投稿日
2021.04.19
カテゴリー
ブログ記事
ライター
小森 学
ファンを増やそう!「笠(かさ)地蔵」から学ぶ、思いやり集客とは?
2020年、突如として広まった新型コロナウイルス。収束の兆しが見えない中、感染拡大防止対策による外出自粛要請など、事業への影響に不安を抱えている方も多いでしょう。
「新しい生活様式/ニューノーマル」が新語・流行語大賞にノミネートされたように、この1年で私たちの生活様式は一変しました。

住まい探しにおける、ユーザーの意識や行動も変わりつつある状況において、単なる集客ではない「コアなファンづくり」に目を向ける必要があります。今だからこそ取り組むべきこと、大切にすべきことを、事例と合わせてご紹介します。

集客とは、量ではなく質

結論からお伝えすると、コロナ禍における集客で最も大切なのは、量ではなく質です。
自社の商品やサービスに興味や関心を抱いてくれた潜在顧客に対し、興味のある情報を発信することで関係を育み、絆を強めていく。

「強い絆づくり=コアなファンづくり」こそ、結果的に質の高い集客に繋がります。

コアなファンをつくるための2つのポイント

 ユーザーが欲しい情報を継続的に発信する

株式会社リクルート住まいカンパニーが2020年11月に行った調査によると、外出自粛やリモートワークの普及による在宅時間の長期化から、広さや快適性を求める意識が高まりました。首都圏では全体の33%、東海地方でも24%の方が新たな住まい探しを始めています。ワークスタイルの変化により住宅購入・建築を検討している潜在顧客が増加していることが分かります。

その一方、1社も訪問していないという方が住宅展示場(モデルハウス含む)で全体の27.5%、イベント(現地見学会、構造見学会、相談会など)で全体の44.4%を占めています。コロナ禍を機に、住宅展示場やイベントが入口になっていたユーザーが、リモートでじっくりと情報収集を行い、検討する形にシフトしていることが分かります。

出典:
株式会社リクルート住まいカンパニーが2020年11月に行った第2回 コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査 https://www.recruit-sumai.co.jp/press/upload/PressRelease_jyutakukenntousya2_20201125.pdf 
2020年 注文住宅動向・トレンド調査 
https://www.recruit-sumai.co.jp/date/upload/2ecfec174684cd2ba596fe4b0c34d95c.pdf

以上の結果から、Zoomを始めとするオンライン対応を確立させることも必要ですが、潜在顧客のリモートでの検討時期に、自社に対して多くの興味や関心を抱いてもらえるかが重要になります。

そのためには
ユーザーが困っていることは何か
ユーザーが知りたいことは何か
ユーザーの役に立てることは何か
ユーザーに伝えたいことは何か

といったユーザーの視点に立ち、どのようにコンテンツを発信すれば興味を持ってもらえるか、楽しんでもらえるかを第一に考え、情報を発信することが大切です。さらに「自社の強み」「自社の経験」を踏まえた情報であれば、競合他社との差別化にも繋がります。

また、ブログやSNSをこまめに更新し、継続的に情報を発信することでユーザーとの接触機会が増えます。接触頻度が相手からの好意に比例するという「単純接触効果」にも繋がり、信頼感や再訪率(リピート率)がさらに高くなります。

今後、都市部からその他近郊、地方への人口移動が進むと考えられます。ユーザーの興味・関心に応えるコンテンツを発信することは、未来客となりうる受注エリア外の潜在顧客に対してもアピールできるメリットでもあります。

 自分たちの想いを伝え、共感してもらう

ファンづくりにおいて最も重要となるのが「共感」です。
商品やサービスを選んでもらうために、性能やコストパフォーマンスなどをアピールすることは大切です。しかし、ユーザーにとっては意思決定における一要素に過ぎません。どのような想いや考え方で家づくりに取り組んでいるのか、安心して任せられる会社やスタッフであるのかといった、「会社としての姿勢」や「スタッフの人間性」にも深い関心を持っています。
家づくりに対する一貫した自分たちの想いや姿勢を発信し続けることで、親近感や信頼感が高まり、結果として共感者からコアなファンに変わります。

また、近年ネットビジネスにおいて、「口コミ」は極めて重要です。ファン化した顧客は、SNSを利用して自ら拡散してくれます。熱心にサイトを訪問してくれたり、SNSで積極的に広めてくれる理由としては紛れもなく「共感力」が影響しています。

ファン獲得事例

スマートフォンの利用者が急激に拡大し、SNSをはじめとする情報収集のツールとして当たり前に使われるようになりました。さらに、スマートフォンと相性が良いコンテンツやサービスとして「動画マーケティング」が注目され、取り組む工務店も増加傾向にあります。

ユーザー目線でのコンテンツを継続的に発信し、「共感力」によってコアファンを獲得している事例を紹介いたします。

 事例1:HAPINICE-ハピナイス-

愛知県豊橋市にあるHAPINICE様の事例です。

【積み重なると大きなストレス】新築住宅でよくある、小さな失敗7つを徹底解説!
【ここに欲しかった!】使いやすさ重視の収納アイディア ベスト7

などの家づくりを考えているユーザーにとって、見たい知りたい情報を随時更新しています。

【元大工が明かす!】ローコスト住宅がローコストではない理由を徹底解説!
【裏テク】アフターサービスが悪い会社の見抜き方を解説!

といった一般ユーザーでは知り得ない業界情報の発信なども、ファン獲得の要因になっています。また、来場予約をされるお客様のうち、約9割がチャンネル登録者であることからも、動画コンテンツの発信が集客に結びついている事例と言えます。

 大工の正やんShoyan

次に、大工の正やん様の事例です。

大工歴48年のベテラン現役大工さんが、大工仕事や大工についての豆知識など、大工に関する様々なことを発信しています。

巣篭もりによるDIY需要と合致した部分もあるかもしれませんが、その技術を惜しげもなく公開しており、現時点で視聴回数は1,800万回、チャンネル登録者数は17.4万人を超えています。

「こんな大工さんに家を建ててもらいたかった」、「この家のお施主さんがうらやましい」などのコメントも見受けられます。
ビジネスというより「皆の役に立ちたい」という実直なお人柄が動画から伝わってきて、ファン獲得に結びついているのも納得です。

まとめ

皆さんは昔話のひとつ「笠地蔵(かさこ地蔵)」のお話をご存知でしょうか?

出典:
まんが日本昔ばなし〜データベース〜 笠地蔵
http://nihon.syoukoukai.com/modules/stories/index.php?lid=2

おじいさんは自分の被っていた笠さえも、お役に立てるならと思って差し出します。この物語を子供の頃に初めて読んだとき、思いやりの気持ちを持つことの大切さを学んだ記憶があります。

ユーザーに対して「思いやりの精神」で動画コンテンツを発信する。継続して発信し続けることでファンとなり、必ずプラスとなって返ってきます。

コアなファンを獲得するための第一歩として、ユーザーの課題解決に自社の強みをどのように活かせるのか、考えてみてはいかがでしょうか。