Instagram・YouTube・検索・比較サイトなど、入口が多様になっています。
その結果、工務店の現場ではこんな悩みが増えています。
広告を出しても「質の良い反響」が取れない
GA4を見ても改善点が見えない
HPのどこを直すべきか分からない
SNS発信の軸がブレる
「誰に向けての発信か」が曖昧になっている
これらの根本原因の多くは──
STP分析(誰に・何を・どう届けるかの整理)が曖昧なこと
に起因します。
この記事では、マーケティングの基本であるSTP分析を
工務店のWeb集客で “今日から使えるレベル” に噛み砕いて解説 します。
STP分析とは?工務店が最初に整えるべきマーケ戦略
STP分析は、マーケティング戦略の中心となるフレームです。
- S:Segmentation、セグメンテーション(市場を細分化する)
- T:Targeting、ターゲティング(細分化した市場の中で狙う相手を決める)
- P:Positioning、ポジショニング(どんな立ち位置で選ばれるかを決める)
STPは、家づくりでいえば基礎工事のような存在。
ここが曖昧なまま広告・SNS・HP改善を行うと、どれだけ頑張っても成果が出ません。
逆に、STPが整うと──
- Web集客のブレがなくなる
- コンテンツの方向性が決まる
- 良い見込み客が自然に集まる
- ターゲットに刺さる“言葉”が生まれる
- GA4を見た時に改善ポイントが明確になる
など、すべての施策が一気につながります。
S(Segmentation)市場を分類する|工務店が使うべき5つの軸
STPの最初の要素である「S=市場分類」は、“自社の周りにはどんな種類のユーザーがいるのか” を整理する作業です。
工務店の場合、以下の5つの軸で分類すると、Web集客に必要なユーザー像がとても明確になります。
① デモグラフィック(属性)
- 年齢(25〜35歳 / 35〜45歳)
- 家族構成(共働き / 子育て / 二世帯)
- 世帯年収(500万〜800万 / 800万〜1200万)
- 住宅予算(2500〜3500万 / 4000〜5000万)
例:30代前半・共働き・子ども2人・予算3000万前後
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② ジオグラフィック(地域)
- 施工エリア内/外
- 都市部/郊外
- 車移動が前提の地域か
- 土地相場
例:富士市・富士宮エリア × 車移動が中心
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③ サイコグラフィック(価値観)
- 自然素材が好き
- デザイン優先
- 性能にこだわる
- 暮らしやすさ・収納重視
- コスパ重視
- 建築家との家づくり志向
例:自然素材 × デザイン × 家事ラク動線
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④ ビヘイビア(行動)
- Instagramで情報収集
- YouTubeでルームツアー視聴
- SUUMO/比較サイトを使う
- 資金計画を重視
- 中古+リノベを検討
例:インスタ中心でナチュラルな暮らし系投稿を保存しているユーザー
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⑤ 工務店特有の軸:家づくりの“温度感”
一般的なマーケティングにはあまりありませんが、工務店のWeb集客では最重要です。
- 浅い層(探し始め)
- 中間層(候補を3〜5社に絞った段階)
- 深い層(相談会参加を検討)
温度感によって“見るページ”も“反応する広告”も変わるため、Segmentation に含めて整理すると圧倒的に施策の精度が上がります。
T(Targeting)狙う相手を決める|ターゲット設定の3ステップ
セグメントで市場の種類を整理したら、次は 「誰を狙うか」 を決めます。
工務店で反応が良い会社は、例外なく ターゲットが明確 です。
STEP1:各セグメントの中から“優先順位の高い層”を選ぶ
例:
・自然素材 × 共働き × 子育て
・デザイン × 性能の2軸を求める層
・土地なし × 中古+リノベ希望の層
STEP2:その層の“最も重要な価値”を1つ決める
例えば…
・「自然素材の心地よさ」
・「家事ラク動線」
・「安心できる性能」
・「無理のない資金計画」
・「中古購入+リノベの専門性」
価値が明確になると、言葉がブレなくなります。
STEP3:Web・広告・SNSの“発信軸”をその価値に合わせる
例:
ターゲットが「自然素材×子育て世代」なら──
・HPの導線 → 施工事例(自然素材)へ流す
・ブログ → 無垢材・漆喰の魅力
・SNS → ナチュラル暮らし系
・広告 → 自然素材×子育てのクリエイティブ
・GA4 → 自然素材系ページの滞在時間を見る
ターゲットから逆算して施策を整えるだけで、反響の質が一気に変わります。
P(Positioning)どんな立ち位置で選ばれるかを決める
P(ポジショニング)は“あなたの工務店は何の専門家なのか?”を決める工程です。
ポジショニングが曖昧だと…
・Webサイトの言葉がぼやける
・SNSの内容が毎回違う
・広告のCTRが低い
・同じような会社に見える
・最終的に“価格勝負”になる
今のユーザーは多様で、
“単一の強み”だけでは他社と差別化しづらい時代 になっています。
そこで重要なのが、2〜3つの強みを掛け合わせて、独自の価値をつくること。
また、ターゲットの価値観は1つではないため、掛け合わせるほど「この会社は自分向けだ」と感じてもらいやすくなります。
STP分析があるとGA4で“見るべき数字”が明確になる
多くの工務店が「WEB集客強化のためにGA4を見ても何を改善すればいいか分からない」と感じます。
その理由は──
数字を“誰のための数字か”分からないまま見ているから。
STPがあると、GA4の数字は「意味」を持ちます。
例: 自然素材 × デザイン重視の子育て世代をターゲットとした場合
この層が知りたい情報は“素材の安心・暮らしやすさ・見た目の世界観”。
よって見るべき指標は以下に変わります。
・自然素材系ページの滞在時間
・施工事例(ナチュラル系)の回遊数
・Instagram(自然素材投稿)からのセッション
・モデルハウスページのエンゲージメント
・自然素材系ブログの閲覧数と離脱率
アクセス数ではなく、
“価値観に合うページをきちんと見てもらえているか?” が焦点になります。
オススメツール
GA4は便利。でも“慣れるまで”が大変。
GA4はとても高機能で便利なツールですが、操作に慣れるまで少し時間がかかります。
「流入状況を確認しようにも、どこを見たらいいかわからない」 「数値の意味がわからず、分析が止まってしまう」
そんな時におすすめなのが、Gabit(ガビット)です。
アナリティクスを簡単に。 自社比較、エリア比較、業界比較を極限まで分かりやすく!を叶えるツールです。
数字を見るだけで終わらせず、“改善に使えるデータ”に変える。Gabitなら、工務店の集客改善をもっと効率的に進められます。
詳しくはこちら → https://gabit.info/
まとめ|STPが整うと、Web集客は迷わなくなる
・工務店のWeb集客は情報が複雑化している今ほど「STP分析」が重要
・S(市場分類)を正しく行うと、ユーザー像がクリアになる
・T(ターゲット設定)が明確だと、良い見込み客が集まる
・P(ポジショニング)で“何の専門家か”を示せる
・STPがあるとGA4の数字が意味を持ち、改善が早く進む